2月21日 ゆとりと幸せ

老犬君はシッターさんの所でお風呂に入ってスッキリ。

日本でOL3年目になった頃、27歳になった先輩が退職してアメリカへ留学をすることになり盛大な送別会をしました。その時に隣に座っていた人が、日本でのストライクゾーンを外れてしまう人は皆んな留学するんだよね〜と言った事を最近、思い出しました。彼に取っては私もその1人なんでしょう。

確かに日本ではストライクゾーン狭すぎだと思います。石田純一のように女の人は30過ぎたら行き遅れ、みたいな事をいまだに言えてしまう。そう言う事を大きな声で言えてしまうのに、車の運転席からや駅のホームでペッと唾や痰を吐いてしまったりします。これは恥ずかしいのでやめて欲しいです。

日本に行った友達が交差点で信号待ちをしていたら突然斜め前のおじさんが「かぁっっ、ぺっ!」と痰を吐き出したのを見て飛び上がるほど驚いたそうです。本当に飛び上がったので反対に止まっていた自転車のお兄さんにしがみついてしまったとか。道路や駅のホームは綺麗なのにあんなことをするのが信じられない!と、おもてなし日本の印象が台無しになって帰ってきました。もし、万が一されていたら、お願いです。人目が有るところではティッシュに出して捨ててください。

私は日本の標準家族でゆとり教育よりずっと前の典型的な教育を受けて育ちました。何気に効率の良さを優先してしまうし、息子のテストが95点だとすると、その5点は何がダメだったのか問いただしたりします。もう70点なんて論外です。でも夫は70点取れた方を褒めてあげようとします。

息子の学校の教育方針が、何故か、最低点は60点に引き上げると決まっています。テスト結果が30点だったとしても60点をつけてくれます。どうして?不思議です。そこで諦めてしまっても良いのですが、テストの受け直しをさせてくれて2回目は100点を取っても80点と採点されます。

日本のゆとり教育以上のゆとりがあります。体育なんかいつも走ってるばかり、算数なんて5年生なのに日本の2、3年生ぐらいの事もまだやっていたりします。

日本の義務教育は、かなり水準が高い、しっかりしている、と思います。厳しいとも言えるかもしれません。

その代わりアメリカもイタリアも大学に行くと寝る間も無いほど勉強漬けです。本当の教育を受けるのは大学に入ってからなのかな、と思います。

本当は50点なのに60点をくれました。

イタリアとアメリカで仕事をすると業者とのスケジュールなんて有ってないような物です。(営業さんは大概きちんとしてますけどね。)10時に来るはずの業者が来ず、電話をすると「今向かってる」と返事をしたまま、現れたのは翌週の同じ時間だったりします。良い時でも午後とか翌日とかです。何事もなかったかのように「Good morning!」って笑顔で入ってきます。今向かってるって言ってたじゃないか!でも、これがね、良い仕事をするので切ってしまえないのです。多分切られてしまっても他で通用するので平気なんだと思います。

ある業者は出先で朝9時に待ち合わせたので行ってみるとお昼になっても来ません。諦めてオフィスに戻ると午後3時ごろ「今着いたけど、どこに居るんだ。」と電話がかかって来たり。そんな時間についてどんな仕事をしようとしているんでしょうか。無理無理、明日出直せ!と言って翌日は一日待たされても良い量の仕事を持って出かけました。

イタリアに住んでいた頃、スーパーでの買い物の仕方なんかも比べて笑ったりもしました。友達の彼は週末にする買い物のためにリストを書いておきます。日本人なら売り場の端から必要な物を取っていきますよね、でもその彼はリスト順に買い物をしていくんです。だから売り場を右から左、左から右へあちこち歩き回ります。もう効率なんて言葉は存在しません。でも全て買えているから良いんです。彼はのちにお医者さんになりましたし。

イタリアでは経済学部の学生達とアパートをシェアした事もありました。彼女たちはちょうどトヨタの「Kaizen」を習っているところでした。そうか、効率や改善って普段の生活で身につく事ではなく、大学に行って初めて習うのか、と驚いた事もでもありました。

日本の当たり前は世界の当たり前では無いことに気づきました。

夫と暮らすようになって私の中の常識もゆるく良い方に傾きつつあります。ソフトウェアエンジニアの夫は暗算せず、簡単な計算にレストランでもスマホから計算機を出したりします。理系なのに。それで良いのです。夫からすると便利な物があるのだから計算機を使えば良いという考えです。

この日曜日から微熱が続いて、月曜、火曜と寝込んでしまって今日やっと起き上がれるようになりましたが、ありがたいことに、その間は夫が息子や老犬君の面倒を見てくれていました。食料も尽きて買い出しもしてくれていました。なので昨日も今朝もお弁当の材料に困らずに済みました。なのに、夫が買ってきたブドウが傷みかけていたことに文句を言ってしまいました。ずっと1人で全部を頑張ってくれたのに、できていない事に目をつけてしまう悪いくせが出ました。

目が覚めたらお花を飾ってくれていました。

私のように効率優先であくせく暮らして、足りないことに目が行きすぎたり、前準備のために時間がガチガチになってくると幸せを感じなくなってしまうし、自分でストレスを溜め込んで創作性も無くなってしまいます。

夫は、何か起きてから考えよう、とか明日やろうって止めてくれます。のんびり構えて、できている事に目を向ける方が幸せを感じやすく、子供ものびのび育ってくれるのかもしれません。

日本人の中には、やはり嫌味をチクチク言ってくる人もいます。だから難しいんだと思います。できるならそう言う人にははっきりと言い返します。でも、それが言ってはいけない人、あるいは言えないのであれば、その人からは離れます。とことん離れます。これは仕事を辞めたからできる事ですけど、嫌味や嫌がらせをいちいち言ってくる人が私の幸せなんて望んでいるわけがないからです。

起きていない事に対策を講ずるより、次は起きてから考える、地震や非常事態の対策さえできていれば大概のことはなるようになるさ、と思って暮らせれば良いのでしょうけど。難しい。

今日も長くなりましたが最後までお付き合い頂いてありがとうございます。