1月21日 お料理教室にて

本文とは関係ありませんが、Outbackのブルーミングオニオン

かれこれ30年ぐらい前の話です。

新卒で入った会社はちょうどバブルが弾けた瞬間で、同期は日本全国に365人もいました。1日に1人ずつ辞めても一年かかるね〜なんて冗談を言うほど居ました。

同じオフィスの同期の1人から花嫁修行にお料理を習いたいので付き合って欲しいと頼まれました。

まぁ、お料理ができるようになるのも悪くないと思ったので、一緒に月2回のペースで半年程通いました。

全部で20人ぐらい居たでしょうか。中には中年の男の人もちらほらいました。

一つの班に4人ずつ、私の班には友達と妊娠三ヶ月の新婚さんと40代ぐらいの奥様がいました。2人は、とても静かな人で、話しかけてもぽそっと一言話すぐらいでしたが自己紹介で話していたので1人は妊婦さんなのだと分かりました。半年も一緒だったのに赤ちゃんの性別もわからずお別れした程です。

まず教室に入ると1番前のテーブルにその日作る物が並べられていて、それを見て自分達のテーブルに向かいます。

テーブルにはレシピと材料が置かれていて、先生が注意事項を話したら一斉に配られたレシピを見ながらそれぞれで作ります。これなら宅配で材料を配ってもらって家で作っても一緒じゃないか!と思いましたが、違う材料を混ぜたり、手を抜いて変な物を作ってしまう可能性があるので、きっと続いていなかったと思います。

先に先生が作って見せてくれれば良かったのですけどね。

4品あって1人1品作る感じですが、1品がほうれん草のお浸しなら、もう1品は豚の角煮だったり和風ハンバーグだったりして簡単には割り切れず、時間にも追われて作るので気持ちも焦ります。

初対面で滅多に会わない同士の意思の疎通は難しい上に、物静かな2人は、無言で手順の少ない簡単な物を先に始めてしまうので、出遅れる友達と私はいつも面倒な物を作る事になりました。

昨日はチョコチップクッキーを焼きました。

ある時、エビのしんじょう揚げが私の担当になりました。大丈夫、材料は全部あるし、エビ好きだから作れるようになったら嬉しいし、と気合を入れて作り始めたところ、先生が用意したしょうが汁が前に残っていて、あと一班が持って行ってない〜と探していたのに気づきました。

私のことだと思い、小さなボールを持って戻り、刻んであったエビに入れました。具を丸め始める頃、先生がしょうが汁が見つからない〜と各班を回って探していました。

私が全部使ってしまったしょうが汁の入ったボールです。

はっとなってレシピをみると小さじ1杯と書いてありました。どうしよう、ボール一杯で、多分1カップぐらいは入れてしまいました。そんなこと、言えない。。。でもあと1班って聞いたから、つい残り全部が私の分だと思っちゃったし。。。そんな言い訳できない。。。

丸めて揚げる前で良かった!それからは思いっきり握ってしょうが汁を搾り出します。具が指の間から出て行かないように、ギリギリ手の中に収まっているように絞って、絞って、丸めて揚げて出来上がり。

先生は見つからないので仕方なく、どこかの班のためにもう一度しょうが汁を作っていました。(先生、黙っていてごめんなさい。)

食べている時も、絞った甲斐があってボール一杯にしては辛くないし大丈夫と思っていましたが、翌日のお昼休みに友達から「昨日のしんじょう揚げ、しょうがの味しかしなくて、エビの味がしなかったよね?」と言われ白状してしまいました。一緒にランチを食べていた同期達は、その時の私の焦りを想像して大爆笑、涙が出る程の大ウケでした。

他の物静かな2人もそう思いながらも黙って食べたのでしょう。(今ここで謝ります。美味しくなかったのは私のせいです。)

同期には笑ってもらえて良かったけど、あのしんじょう揚げ、あれから一度も作っていません。