3月29日 さようなら老犬君

24日、日曜日の午後3時に老犬君が天国に旅立ちました。

遠い昔のように記憶に霞がかかっているような感じがします。

静かに逝きました。老犬君が私を見えるように覗き込んでいましたが、静かに、気づいたら亡くなっていました。

 

土曜日の夕方に一度、目が遠くなってゴムのおもちゃのように力が抜けてしまったので、あぁ、もう駄目だと思いながら救急の獣医へ走りました。

検査を終えて先生が老犬君は危篤状態だと教えてくれました。

腎臓は機能していないので今日は痛み止めの薬を点滴で入れますが、苦しんでいるので、もう逝かせてあげましょうと。送ってあげる覚悟をしてくださいと。

腎臓は症状が出ると急速に進み、救うことは難しいことを教えてくれました。

この状態では生きていること自体が不思議だと驚いていました。

最後の夜は一階で床で寝ました。ベッドに横たわった老犬君と顔が並んで、老犬君が目が覚めた時に私の顔が見えるように寝ました。

夕方からずっと老犬君の目から涙が流れていました。まるで最期を悟ったかのように静かに寝たり起きたり。

こんな状態なのに、絶対に失敗しませんでした。むくっと顔を上げて裏のドアを見て立ち上がろうとします。腰を抑えて一緒に外へ出ました。

液体を注入されていたので、乾いた物を欲したようです。

乾燥チキンやドライなドッグフードを食べました。顔も上げずに横たわったまま食べました。

夜中も2、3時間置きに裏から外へ行きました。

そして日曜日、最後は前のドアから出て行きたがりました。家の前で用を足して家の前をぐるりと回るようにしてから家に戻りました。

体の中も綺麗にして、腹ごしらえをして、準備を整えていたのでしょうか。

本当に静かに、誰にも迷惑をかけることなく。優しい良い子でした。

夫も息子も居る時を選んで逝きました。お別れをさせてくれてありがとう。

できるなら次は人間の子に生まれて、そして、できるなら息子の子供にでもなって戻ってきて欲しい。